遠い空の下


       遠い空の下にいるけど、見上げればそれは同じ空。
       だけどそれぞれの目には違う景色に見える不思議。

       

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

金色のウニを求めて 4話

4話 ハゥ オールド ア~ ユ~

「フランシーヌさん」
アラビアンガレーに乗り込もうとしたフランシーヌにアブサンが声を掛けた。
「なんでちゅか?アブサン」
「漕ぎ船員の中にアノ人を忍ばせておきました。出航してから探してください」
「あの人って誰でちゅか?」
「見れば分かりますよ」
「あと、必要そうな物はすべて倉庫に入れておきましたので何かが起きても問題ないでしょう」
そう言ってアブサンはフランシーヌの頬に軽くキスをした。
「お気をつけて」


☆☆☆


ソフィアを乗せたアラビアンガレーは追跡されることも無く、無事にマルセイユを離れティレニア海をゆっくりと西に進んでいた。
空には半月が輝き 星も良く見えた。
風も強くなく弱くもなく、寒くもなく涼しすぎることもない。
マルセイユの騒動が嘘ではないのかな・・・そんなことをふっと思えるほどに海上は静かだった。
フランシーヌは船員を統一し、船の中で一番歳のいった船員を副官に任命した後、出航前のアブサンの一言を思い出し、船内にいる漕ぎ船員を1人1人見て回った。
「私の知り合いって誰でしかねぇ」
「セイッ!ハァ!」
「セイッ!ハァ!」
威勢の言い掛け声と共に規則正しくオールが前後する。
みな、ガッシリとした筋肉質な体つき、こんなマッチョな知り合いをフランシーヌは持っていない。
「アブサンのいたずらでしかねぇ。。。」
と、半ば呆れていたとき、とても見覚えのある体つきの船員が目に入った。
「あ、あれは・・もしかして」
フランシーヌは小走りでその船員に近づく
「ちょっとそこの船員!私に付いてくるでちゅ!!」


☆☆☆☆


「っっはぁぁ~」

提督室に常備されていたエビアン500mlをピールジョッキに空け、ゴクゴクと飲み干す。
あんな短時間にイロイロなことがありすぎて頭の中がグルグルになっていたソフィア。
船に乗ればいつものフランシーヌちゃんとは違ったナニカを見てしまったソフィア。
室内でパニックの頭の中を整理しようと机の周りをグルグルしていたが、とりあえずは落ち着くことが先決と思い、今に至る。
「・・・ふぅ。とりあえずは、無事にマルセイユから出れたみたいね」
そう言いながら、ドカッと椅子に腰掛けた。
室外からはフランシーヌちゃんの声が聞こえる。
多少の驚きはあったものの、船の事など一切知らないソフィアは、フランシーヌちゃんがいてくれて良かったと思えるくらいまで頭の中が落ち着いてきた。
「とりあえず、船についてはフランシーヌちゃんに任せましょう」
短時間にあれやこれやと色々な事があり過ぎたため疲労もピークに達しようとしていたが
「まずは状況整理と把握よね」
と、椅子の肘付きに頬杖をつきながら頭の中を整理する。
金色のウニについてはリスボンのタイツ教祖が知ってるかもなのよね・・・
酒場のウニの食中毒・・・私が売ったウニ・・・なのよね・・・?
マスター大丈夫かしら・・アブサンがどうにかしてくれてれば良いけれど・・・
あ!ウニの仕入れ!!
仕入れたのはフリーベルさんのところからよね!!
フリーベルさんはどこに行ったのかしら?
公安に捕まったかしら・・
まさか・・・フリーベルさんがバイオテロを・・・
整理して考えようとしてみたものの、肝心なところが今ひとつ良く分からない。
「まずはリスボンで教祖に会うのが早いかしらねぇ・・・」
ソフィアは背もたれに体重を寄せ、提督室の天井に下がっているランプをボーっと見ながらつぶやいた。


☆☆☆☆☆


「ここなら誰もこないでちゅね」
フランシーヌは空の倉庫に船員を引き連れてやってきた。
倉庫の内側から鍵を掛け、ホッとした表情を見せた。
「無事だったのね・・・提督」
フランシーヌは船員のふくよかなお腹に全身を埋もれさせて抱きついた。
「アブサンがきちんと手引きしてくれたよ」
船員はフランシーヌを抱き上げ そっとキスをした。
「心配してたのよ。提督が公安に捕まってしまってないかって」
今度はフランシーヌからキスをする。
「ふっ!アブサンに手引きされなくても、わっちはきっと逃げ切ってたぞ!」
そしてまた2人はキスをした。
「ウニの食中毒事件。あれは提督が?」
フランシーヌが軽く上目遣いでフリーベルに聞く。
「わっちがそんなことするかい!あれは誰かの陰謀だ!!」
「ですよね。提督がそんなことするわけ無いですよね」
「うむ!」
「まぁ、しかし、とりあえずはマルセを離れて、リスボンで教祖に会わねばだな」
そう言いながらフリーベルは地べたに座り込み、フランシーヌを太ももに乗せた。
「しかし、2人でいるなんて久しぶりだな」
フリーベルは倉庫の小窓から見える夜空を見ながら言った。
「そうですね。あれからもう10年経ちます」
フランシーヌはフリーベルのお腹をツンツンしている。
「10年・・か」
あれから10年。長かったようで短かったような時間。
あれからフランスは平穏な日々を送れるようになった。
英雄は崇められ、そして平和な日々は10年前までの出来事を忘れさせていく。
「平和になったもんだ」
「そうですね」
2人は見つめあい、ふっと笑い そしてまたキスをする。
「ところでフランシーヌ、なんで赤ちゃん言葉なんて使ってるんだ?」
フリーベルはその理由を聞かされてはいなかった。あれから10年目にしてやっと理由を聞けるチャンス。今を逃さずしてなんとやら!
「あ~~・・・なんていうか」
フランシーヌはフリーベルのお腹ツンツン速度を速めつつ 軽く頬を赤くしながら
「そんなキャラもイイカナ~なぁ~んて・・エヘ♪」
「エヘってフランシーヌ・・・・」
フリーベルは軽く口元をひくつかせた。
10年前のフランシーヌ・・・いや、素のフランシーヌはマルセイユ出航時の怒声がデフォルト・・・それが「エヘ♪」って・・・
10年はやっぱり長いのかもしれないな・・・
フリーベルはそう思い直すことにした。

「ねぇ・・提督・・」
フランシーヌは自分の上着のボタンを外しながら言う。
「レントン総督のウニ投げには興味無かったんだけど、こないだアブサンのウニ投げを見たの。あれは綺麗だったわ。さすがアブサンって感じだった」
フランシーヌの上着のボタンは全て外れた。
「私はウニ投げには全く興味は無いけれど・・・提督、久しぶりに・・・ね?」
フランシーヌはフリーベルの上着のボタンも外しにかかる。
「お、おい・・ここでか?」
「この船に私たちの邪魔をするようなモノはいないわよ」
フランシーヌはニッコリと笑いながら言う。
「まぁ・・・そうだな」
フリーベルは床に仰向けになり、フランシーヌをお腹の上に置いた。
フランシーヌはフリーベルの上着のボタンも全て外す。
「久しぶりすぎてドキドキするわ」
「わっちもだ」
2人は熱くキスを交わした。


☆☆☆☆☆☆


ぼーっとランプを眺めていたソフィアは、ふと壁にかかっている写真に目がいった。
「この写真は・・」
レン様の書斎にも同じものが机に飾ってあるのを見たことがある。
10年前のカルヴィ侵攻の大戦後に撮ったものだと教えてくれたやつだ。
そこにはレン様を真ん中に10数名の人たちが写っている。
「あ、アブサンも写ってるのね。フランシーヌちゃんに似たような子もいるけれど・・・フランシーヌちゃんじゃないわよね、10年も経ってるし。」
「あら?この仮面の人・・・フリーベルさんかしら。でも、あの人はいつもツタンカーメン・・・写真の人はシペ・トテックを被っているわね。。。他人の空似かしら」
この写真、いや、カルヴィ侵攻時の話はレン様はしたがらなかった。そのため、知りうる事といえば書物に載っていた情報くらい。
ソフィアはこの頃、ストックホルムのおばあさまの家に預けられていた為、戦争自体がほとんど記憶に無かった。
本には、ヴェネチアを主とするイスパ・オスマン連合がカルヴィに侵攻、これをフランス・イングランド連合が阻止。死者・負傷者は数百万人にのぼったって書いてあったわね。
そしてこの時、レン様率いる仏国王室精鋭艦隊が素晴らしい働きをしたとも。
戦争が終わって3年後、ソフィアはマルセイユに戻り、酒場で踊り子をしていたときにレン様に見初められ、1年後に結婚した。
「あのときのレン様のプロポーズ・・・素敵だったわ」
レン様のプロポーズを脳内リプレイさせてクネクネしていたときだった

ドゴーーーーーンッッッッ!!!!

大きな音と共に船が左右に大きく揺れ、机の上に置いてあったコップが落ち、天井のランプが消えた。
「!!!!なにがあったの??」
ソフィアは慌てて提督室のドアを開ける。
船員が船内を慌てふためいて動き回っている。
「なに???なんなの???」
「おくたま!!」
提督室の横の通路からフランシーヌちゃんが駆け寄ってくる。
「おくたま!無事でちゅか!!」
「フランシーヌちゃん!私は無事。それより何があったの?」
「何者かに攻撃を受けたようだ!」
フランシーヌちゃんの後から仮面を被った太い人がゼーハー言いながらこちらに向かってきた。
「あら!フリーベルさん!!この船に乗っていたのね!って・・・2人ともなんで上着がはだけてるの!!!」
ソフィアは顔を赤らめて叫ぶ。
「「あっと・・」」
2人はいそいそと服装を整える。
「ふくかーーーーーーん!!状況を報告せよ!!」
フランシーヌが叫ぶ
「シチリア海賊が攻撃してきやした!!敵の数1隻!! 左前方の船体に被弾し浸水しています!!」
「よし!船員を浸水の復旧作業に集中させて!」
「いえっさーーー!!」
副官は船員に指示を出しつつ、自分も復旧作業へと現場に向かった。
「ちっ、こんなところで海賊なんぞに攻撃されるとは!」
フリーベルが声を荒げて言う。
「まだマルセイユからさほど離れていない。ここでもたつく訳には行かん!! ソフィア、この船はわっちが預かるぞ!」
「え?フリーベルさんが??」
フリーベルさんはウニの仕入れ業者・・・そんな人に船を任せる???
「おくたま。大丈夫でちゅよ」
フランシーヌは微笑みながら言う。
「なんで?大丈夫??」
「あの人はフリーベル提督でちゅから」
「てい・・とく?」
なにが大丈夫で提督なのかがサッパリ理解できない。が、しかし、いまはそんなことを思ってる場合じゃない。この状況をどうにかしなくてはならなかった。
「フランシーヌ!!倉庫にアブサンが色々と積んだみたいだから武具等があるかみてきてくれ!」
「わかりました!」
フランシーヌは倉庫に脱兎の如くの速度で向かい、光の速さで戻ってきた。
「提督!!ラブリュスが2本ありました!!」
「!!!さすがアブサン!わっち愛用の武器を積んでるとは!!」
「あと、これも・・」
フランシーヌはそっと仮面を差し出した。
「こ・・・これは」
「私が大事に持っていたの。いまはこれをかぶる時だと思うわ」
「しかし・・これは・・・」
「私たちはレントン提督婦人を無事に逃がすという大事な使命を受けているわ。今は昔の提督に戻っても、誰も何も言わないわよ」
フランシーヌはフリーベルに微笑んだ。
「フランシーヌ・・・」
フリーベルはフランシーヌからシペ・トテックを受け取りかぶった。
そして船首を見据え、両手にラブリュスを持ちスゥーッと息を吸い込んだ。

「これより!この艦は仏国レントン精鋭艦隊3番艦 艦長フリーベルが指揮する!!!総員全力をもって敵を蹴散らすぞ!!!」

「敵は一隻の戦闘用バルシャ!!こんな小船!わっち直々に成敗してくれる!! 船を敵船に寄せろ!!!わっちが乗り込む!!」

「「「「「「イエッサーーーーーーー!!!!」」」」」」

船内中に響き渡るフリーベル提督の声と、突然の英雄の登場に船員の士気が一気に上がる。
「フランシーヌはソフィアの護衛を頼む!」
「了解しました!!」
フランシーヌはソフィアの側に駆け寄る。
「おくたま。安心してくだちゃいね。あんな船、提督がちょちょいと倒すですよ!」
「フリーベルさん・・が・・レン様の・・・御仲間・・?」
写真に写っていた仮面の人がまさかフリーベルさんだったとは・・・ってことは、アブサンも・・・
「あ・・あの写真・・・カルヴィ侵攻のときに撮った写真にフランシーヌちゃんみないな子が写ってるけれど・・・」
「ああ、それはわたしでちゅ!はずかしいでちゅね~」
エヘヘと照れ笑いするフランシーヌ
「そ・・・そう。。。」

そうこうしてるうちに敵船へと乗り移れる距離にまで船が近づいていた。
「うりゃ!!!!」
と、フリーベルは敵船に単騎で乗り込む。
「おい!貴様ら!! レントン精鋭艦隊3番艦 艦長フリーベルの艦だと言う事を知っての愚行か!!?」
フリーベルは大声で敵艦の船員に言う。
「!!なっっ!!なにぃいいい!!??」
敵艦にしてみれば そんなこと知るわけが無い。
精鋭艦隊といえば戦列艦。こんなアラビアンガレーにフランスの英雄が乗ってるなんて微塵も思うわけが無かった。
「あ・・・いや、ちょっと・・・ははは・・・」
船員はササササーっと一箇所に集まる。
「いや、わるか・・・いえ、、すいません。。」
「ほぅ、そうか。わっちの船と知ってのことだったのか」
フリーベルはゆっくりと近づいていく。
「いいいいいいやいやいやいやいや・・・・しらしししらししし!!!」
「そうかそうか・・・10年でわっちの威光もここまで光らなくなってしまったか」
「いいいいいいいいいやいやいやいやいや・・・・しってしししししっておおおおおおお!!!!」
「聞く耳もたん!!!!!!!!」

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

ふ・・・・フランシーヌちゃんって・・・・幾つ・・???


☆☆☆あとがき☆☆☆


はいw 4話目ですねw
ワタシ的には2話目の執筆になりますかw
今回は海戦やらありましてドダバターーっとしてたせいで
ピラ編集長から
「原稿はまだかーーーーーーーーー!!」
っと催促の電話が1分に1回も来るという締め切りを守らないダメ作者ッぷりを露見させてしましました(ノ∀`)アッヒャッヒャ
最後の方は急いで書いたのでちょっと微妙かもしれません( ´艸`)

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://daikoukaijidaipira.blog45.fc2.com/tb.php/247-de1c1d7f

左サイドメニュー

アクセスカウンター

このブログに来て頂いた方は累計で

名様です。ありがと~^^ノ

ブログランキング

ちょっと気になったらぽちPlzw

プロフィール

ピラ

Author:ピラ
皆さんお元気ですか?
日々の活力源って、頭を働かせる事にあるような気がします。

例えそれがくだらなーい事でもw

ここはそんなくだらなーいお話の場

年月別アーカイブ

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

右サイドメニュー

最近は(↓マウス置くと停止)

 暑い熱い厚い!
暑いよー
久々に自分の含め皆さんのブログを読み漁りました。
みんな元気かなー、ビデオ記事でぱったり更新止まってる人もいるよね(棒読み
き、禁断症状
(そろそろうずうずしてきた。。。)

最近の記事+コメント

リンク頂いたサイト様

ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。