遠い空の下


       遠い空の下にいるけど、見上げればそれは同じ空。
       だけどそれぞれの目には違う景色に見える不思議。

       

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金色のウニを求めて 8話

ついこないだ書いたのに速攻で自分の番になったコラボ小説( ´艸`)
こんにちは 紫音です。
負けずに続けて書いてやるぅぅぅぅぅwww

8話 リスボンとタイツ教


「ソフィアさん。怪我はありませんか?」
男は優しく右手を差し出し、そう声をかける。
「あ・・・・ええ、大丈夫。ありがとう」
ソフィアはそう言いながら、男の右手を借りて立ち上がる。
酔った勢いと、いつもの好奇心でボタンを押してはみたものの、あんなのが出てくるとは大航海時代の設定でも考えられなかったので、軽く頭がパニックしているが、身体の震えも徐々に収まり、冷静さも戻ってきた。
「あなたが今まで操舵室に?」
鉄のヘルムに鉄のボディ。足はなぜか羊の毛で作られたブーツという中途半端な格好をし、そして左手には壊れた舵を持った男にソフィアは聞いた。
「ええ、あっしがフリーベル艦長に言われて番をしてました」
男が言う。
「そうだ!お前!コラ!松!!なんでこんなことになったんだ!!」
ガンッ!!っと鉄のヘルムの上からフリーベルが殴る。
「イタイ!いや~・・・皆が楽しそうだったので、船員に酒を持ってきてもらって飲んでたら・・・その・・・寝ちゃって・・・w」
鉄のヘルムで顔の表情は見えないが、きっとテヘッっとした顔をしてるに違いない。
「寝ちゃって・・・wじゃないわーーーーー!!セビリアの港が消滅したじゃないか!!!」
フリーベルはもう1度、鉄の上から殴った。
「イタイ!!申し訳ねぇ・・・」
今度は少しは申し訳なさそうな顔をしてると思われるが、鉄の下の表情なのでわからない。
「松さん?と言うのね」
ソフィアが聞く。
「ヘイ!あっしは天切り松と申しまさぁ!」
鉄のヘルムに鉄のボディ、なのに何故か羊の毛でできたブーツを履いた男が威勢良く言う。
「ああ、こいつはピラんとこの商会に一時期いた男なんだが、今はリスボンで商会を立ち上げてな。一端に商会長なんぞをやってるんだ」
フリーベルが船員に宴の片付けと、波動砲の影響による船体へのダメージ、せりビアから軍艦が向かってきてないかの見張りの徹底を指示しながら言った。
「あら、ピラちゃんところの子だったのね!知らなくてごめんなさいね」
ピラ率いるPetit☆Promenade商会はフランスを代表する大きな商会の1つで、商会が主催する催し物は一般人が参加できるものや、国の高官向けのものまでと多岐に渡り行われており、その中でも年に1度、ピラが総企画する商会最大イベント プチプロフェスティバルは夏に4日間の期間で行われるフランス最大のお祭りであり、フランス国民ならず、ヴェネチアやセビリア、オスマンやロンドンなどからも大勢の観光客がフランスに訪れる。
そんなPetit☆Promenade商会はレントンとも交流があり、幾度か妻ソフィアと共に、プチプロが主催する催し物に賓客として招待していた。
そこでソフィアとピラは意気投合し、プチプロの商館へと招かれたり、ちょっとした航海にコッソリ連れて行ってもらったりするくらい親しい仲になっていた。
「天切り松さんは、いつもそのような格好をしているの?」
「あっしはいつもこの格好ですね」
「そうなの」
プチプロの商会に往来したことがあるソフィア。商会員全員と面識があると思っていた。
「こんな人もいたのねぇ・・・」
見た目が中途半端だから、1度見たら忘れない自信がソフィアにはあった。が、どんなに頭の引き出しをゴソゴソしてみても該当する顔が見当たらない。
「私が、ピラちゃんと親しくなる前に商会を抜けた人なのね」
そうソフィアは納得した。

「おい、松!その左手の舵はどうしたんだ?」
フリーベルが聞く。
「あ~・・・舵の前で飲んでて~・・・酔っ払って~・・・カクンと舵に向かって寝そべろうとしたら~・・・ヘルムが舵に当たっちゃって・・・ヘヘ・・w」
「へへ・・w じゃねーーーーーーーー!!!」
ガスガスボコボコ
「イ・・イタイ!! イタイっす艦長!!」
「お前の中途半端な装備よりは痛く無いわ!!!」
「ちょ!・・ごめんなさい!!艦長イタイ!!」
仮面のデブが鉄仮面を殴る風景に、なんともいえないナニカが身体の中を駆けめぐる。
が、そんなことよりも
「ちょっと、フリーベルさん! そんなことよりも、舵が壊れちゃったからこれからどうするの?」
ソフィアが殴るのを静止する意味も込めて、ちょっと大声でフリーベルに聞く。
「おお・・・フム・・・」
いつの間にやら天切り松から舵を取り上げ、その舵で天切り松の頭をガンガン殴っていたフリーベルが手を止めて考える。
「イ・・・タ・・・イ・・・」
球面だったヘルムが多球面体に進化させられた天切り松は、そう言いながら床にベシャっと倒れた。

「船員の報告だと、波動砲の船への影響は船首部分の損傷くらいのようだから、走行的には問題なさそうだ。まぁ、舵が壊れててもリスボンはもう少しで着くし、ここは内海で波も高くない。櫂でも使えばどうにかなるだろう」
「そう、どうにかなりそうなのね」
「うーむ・・たぶんな。セビリアから追っ手が来なければ問題ないな」
「追っ手は来る?」
「来る・・というか、来れないだろうな。見事に波動砲で港を消してしまったからな。船員が港付近を望遠鏡で見た状況だと、とてもじゃないが我々を追うなどということをしている状況ではないらしい」
「ごめんなさい・・・私がボタンを押したばっかりに・・・」
フリーベルは望遠鏡で見た詳細を船員から聞いていたが、ソフィアには言わなかった。が、セビリアの方を見ると言わなくても状況は目に見えた。
セビリアの街に近い位置を航海してはいなかったが、波動砲で火の海と化しているセビリアは見えた。
そして、阿鼻叫喚も微かにだが聞こえた。
ソフィアはその光景を見据えた。
目の前に広がる炎の海。微かに聞こえる声
「私がボタンを押したから?・・・ボタンを押したから・・・押したからこんな・・・」
100を越えるだろう商業船、セビリアの軍船、港付近に住む人々・・・
そこにあったであろうものが全て炎と化している。
「私が殺した・・・私がボタンで・・・私が・・・ワタシガ・・・」
ソフィアはセビリアを見つめながら涙をこぼす
「私が殺した・・・殺した・・・たくさん・・・ころした・・・ころした・・・ころした・・・」
レン様もこんな気持ちだったのだろうか。
船に乗って大砲を撃つ。船が沈む。人が死ぬ。
国のためとはいえ、その人の人生を摘む。
でも、レン様は・・・あれは戦争・・・
でも、これは・・・これは・・・私の・・・わたしの・・・・・

いやぁぁあああ!!!!

ソフィアは両手で自分の頭を掴み、発した。
「お、おい!ソフィア!!」
「お、おくたま!!落ち着いてください!!」
「落ち着けですって!?あの状況を目にして落ち着けですって!!??」
「お・・・おくたま・・」
「あそこにはどれだけの人が住んでいると言うの?どれだけの人があれで死んだと思ってるの? 赤ちゃんや、子供や、女の人や・・男の人・・・恋人・・嫁・・・旦那・・・・・みんな死んだのよ??・・・わたしが・・・殺したのよ?・・・」
ソフィアは瞳孔が開き、息も荒く、いつものあの綺麗さは欠片もなかった。
「フリーベルさん!わたしをセビリアに連れてって!あそこに行って・・・あそこに行って私は・・・私は!!!!!」
ソフィアはフリーベルの両肩に手を掛けて言う。華奢な身体のどこにそんな力があるのかというぐらいの力で肩を掴まれたフリーベルが少し顔をゆがませる。
「ソフィア!!これは事故だ!!仕方がなかったんだ!!お前は悪くない!!悪くないんだ!!」
「いいえ・・・私が悪いのよ・・私があのボタンを押さなければ・・押さなかったら・・・こういうことにはならなかったじゃない!!!!!!!!」
ソフィアは涙や鼻水でぐちゃぐちゃの顔をしてフリーベルに言う。
「ソフィアが押してなくても、わっちが押したかも知れん。なにより、この船の艦長はわっちだ!ソフィアが悪いわけじゃない。わっちが悪いんだ!!だから、大丈夫。ソフィアは悪くない。悪くないんだ・・・大丈夫。わっちに任せろ。」
「でも・・・でもでもでもでも・・・私が・・・わ・たしが・・・」
そう言いながらソフィアはフリーベルの足元に崩れた。
「ソフィア・・・」
「おくたま・・・」
フリーベルもフランシーヌもかける言葉が見つからなかった。

そんななか
「大丈夫ですよ。ソフィアさん」
さっきまでボコボコに殴られ、ダウンしていた天切り松が言う。
「リスボンにはタイツ教という宗教があります。そこのドリコ教祖に懺悔するのです。タイツ教はとても素晴らしい宗教です。きっとソフィアさんのこともタイツ神はお許しになるはずです」
「タ・・イツ・・きょう?」
小刻みに手を震わせ、瞳孔が開き焦点も定まっていないソフィアが聞き返す。
「ええ、私もタイツ教にお世話になっております。ドリコ教祖はとても素晴らしい御方です。リスボンに着いたらタイツ教総本部に行きましょう。そして懺悔しましょう」
「タイ・・ツ・・・教・・・ざん・・げ・・・ゆるし・・て・・・」
「ええ、お許しくださるはずです」
「ざん・・げ・・・」
そう言うとソフィアは気を失った。
「お、おい!ソフィア!!」
「フランシーヌ!寝室に運ぶぞ!」
「は、はいでし!」
フリーベルはソフィアを抱き上げてフランシーヌと共に寝室へと向かう。


1人だけとなった操舵室。
天切り松はヒョイとミーナを捕まえ、自分の顔の前まで持ち上げる。
「さて、とりあえずは成功と言うところか。まぁ、波動砲でセビリア吹っ飛ばすのは予定外だったが・・・まぁ、結果オーライということにしとくか」
「ミャーン」
「ククク・・・さて、私の役目は大方済んだ。あとはドリコがうまくやってくれれば第1段階は成功だな。ククク・・・」
セビリアの燃料庫にでも飛び火して引火したのだろう。大きな爆発があった。
その火の光を浴びて、鉄のヘルムの隙間から鋭い眼光で笑う天切り松の顔が、ミーナの瞳に一瞬だけ映った。


☆☆☆あとがき☆☆☆


はい!書いたよ( ´艸`)
まずですな~
何故か後半シリアスになってしまった
ピラちゃんの読んで~
続編には松ちゃんを出そう!
ってことだけ決めて今回は書いたんですよウン!
で、書き進めると~~
なぜかこういうのが出来上がった!!
そんな1作です。

これは、フィクションです!( ゚Д゚)ノ
登場する人物、及び場所は実在しますが
これは、フィクションです!( ゚Д゚)ノ

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